超ド素人のためのFXの基本【実践編Part4】
前回は【実践編Part3】で自身が耐えられる損失額の把握、為替相場の変動,通貨ごとの取引が活発になる時間帯を知っておく、ファンダメンタルズとテクニカル分析をマスターする、などについてお伝えしました。
今回は、取引のペースは人それぞれ、さまざまな外資取引、FXの利益にかかる税金などをお伝えしていきます。
実際に取引してみよう
取引のペースと自分に合う手法
世界で最も成功した投資家の一人にウォーレン・バフェットがいます。彼は割安な株を何十年も保有する長期投資で財を成しました。その一方で、1日で何度も売買を繰り返すデイトレードで億万長者になったカリスマ投資家もいます。
FXでもデイトレード専門の投資家もいれば、長くポジションを持つ人もおり、どのぐらいのスパンで取引するかはその人の得意不得意やライフスタイル次第です。それ自体に良し悪しはありませんが、それぞれにメリットとデメリットがあることは理解しておく必要があります。
一般的に「長期投資はリスクが低い」と考えられているようですが、FXには必ずしも当てはまりません。レバレッジをかけて自己資金の何倍ものポジションを持つと、わずかな値動きで利益や損失が大きく変動してしまうからです。
超短期取引の方法として「スキャルピング」と呼ばれるものがあります。数分でエントリーから決算までを完結します。
また、数日保有する「スイングトレード」や数カ月保有する「中長期投資」で利益を上げているトレーダーもたくさんいます。
デイトレードやスキャルピング派であっても中長期のトレンドは把握する必要があるので、週足や日足チャートは確認しましょう。チャートについては後々、解説していきます。
長期保有するなら損切り注文を入れたり、証拠金に余裕を持っていレバレッジを抑えるなど、予期せぬ変動にも耐えられる態勢を整えておきましょう。
株の場合は日中働いている人にとってはデイトレードやスキャルピングは無理ですが、24時間取引できるFXなら幅広い選択肢があるので、自分に合った取引スタイルを見つけていきましょう。
FX会社は数多くの外資取引を提供している
通常のFX取引以外にも、外資に投資する金融商品があります。一般的なFXは投資家が自らの裁量で売買するので「裁量取引」といわれます。これに対し、システムが自動で取引するシステムトレード(自動売買)という商品があります。
自動売買の中でも初心者に人気が高いのが「ミラートレーダー」というサービスです。「ストラテジー」と呼ばれる取引プログラムの中から好きなものを選んで実行すると、あとはシステムが勝手に投資を繰り返してくれます。
ミラートレーダー以外にも、FX会社が独自に開発した自動売買ツールもあります。自動売買は感情に左右されない取引ができるほか、リアルタイムで相場を見ていられない人でもチャンスを逃さずトレードできるというメリットがあります。
しかし、自動売買といっても簡単に儲かるわけではありません。
勝ち続けられるシステムなどなく、常に相場に適したストラテジーに入れ替えるなどのアップデートも必要です。また、裁量取引よりスプレッドが広く設定されており、同じ売買でも利益は小さくなります。
ほかにも、バイナリーオプションという金融商品もあります。為替が上に行くか下に行くかを選んで投資し、的中すれば払い戻しを受けられる商品です。詳細なルールはFX会社によって異なりますが、値動きがほとんどなく裁量取引で利益を狙いにくい相場でもチャンスがある点がメリットです。
いずれもFXの知識は必要不可欠なので、決して楽をして稼げるわけではありません。特にバイナリーオプションはギャンブル性が高いので安易に考えないようにしましょう。
FXの利益には税金がかかる
FXで出した利益には税金が課せられます。FXの利益は、自分で申告しなければならない「申告分離課税」
で約20%の税率がかかります。原則として自分で確定申告をしないといけません。
ただし、確定申告の必要のない会社員であれば、年間の利益が20万円以下なら申告しなくてもよいことになっています。事実上は非課税と同じ扱いになります。
しかし、自営業者や主婦の場合、FX以外も含め所得が38万円をこえると確定申告の義務が生じます。特に主婦で夫の扶養に入っているケースではFXの大きな利益を申告すると扶養から外れてしまう事態もあるので注意が必要です。
申告はFX会社や証券会社が出してくれる「年間損益報告書」をもとに、翌年の2月中旬から3月中旬までに行い、納税も一緒に済ませる必要があります。利益を使い果たしていたり、申告の時点で損失が出ていても免れないので、納税資金は早めに確保しておきましょう。
損失が出てしまった場合は納税の必要がありませんが、確定申告しておくと3年までの損失を翌年以降の利益と相殺する「繰越控除」ができます。
仮に50万円の損失が出て、翌年は50万円の利益が出たような場合、損失を申告しておけば翌年の利益には課税されずに済みます。
また、損益通算といって、日経225先物取引など特定の取引であれば同じ年の利益や損失を通算することができます。ただし、株や投資信託などの利益は対象にはなりません。
申告を怠ると脱税の疑いをかけられることにもなりかねないので正しく申告しましょう。
【おまけ】星占いでFX ~金融占星術~
月の満ち欠けや星の動きを、FX取引の参考にする手法が、密かな注目を集めています。これを「金融占星術」といいます。
「インチキだ」「迷信だ」という方も多いのですが、相場の転換点をズバリと的中させることも多いので、投資家は覚えておいても損はないでしょう。
金融占星術は単なる星占いではなく、統計学的なアプローチから編み出されたものです。日本人為替ディーラーの山中さんのwebサイトには「アストロカレンダー」
というページがあり、直近の星の動きやその読み取り方、金融占星術を通じた相場観などを無料で公開しています。
アストロカレンダー (Top Page of Astro Calendar)
まとめ
今回の重要な点は
- 自分に合った取引方法
- 自動売買の紹介
- 税金と確定申告
- 金融占星術
今回の記事で【実践編】は終了しました。次回は、超ド素人のためのFXの基本【経済編Part1】になります。